中国問題から見る地方民泊
日中関係の影響で、日本への観光客の多くを占めていた中国人観光客の数の落ち込みはちょっとこの先も一朝一夕に解決するというにはほど遠い状況にありますが、その一方でインバウンド人口そのものはさほど大きく落ち込んでいるわけではありません。これは、中国人に変わり、東南アジアや韓国、台湾、あるいは欧米など様々な場所からの観光客が日本を訪れているからに他なりません。
そして、このような状況を受けて、今にわかに民泊業界で注目されているのが、地方民泊です。
東京や大阪などの大都市や、京都、富士山など有名観光地、いわゆるゴールデンルートをめぐる観光客は相変わらず多いですが、特に最近の調査では、多くのインバウンド客はそのような通り一遍の観光だけではなく、「ごく普通の日本の暮らし」体験を求めているのだそうです。
彼らの考える「ごく普通の日本」のイメージは何パターンかあります。
・おいしい日本食が食べられる
・普通の日本人と同じような買い物をする
・日本の普通の人々の人情に触れ合う
・自然豊かな田舎の風景
などなど、これらのニーズに応えられるのが、ずばり、地方の民泊なのです。さらに都市部ではゼロ日規制の容認など、規制の動きがあるのに対して、地方では町おこしや経済活動の一環として民泊を歓迎しているところもあります。
では、これがなぜ中国問題と関係しているのでしょうか?
最近のインバウンドの傾向として、滞在日数の長さと、消費額の大きさがあげられます。特に欧米系のインバウンド客にはその傾向が強くあります。観光地をさっと廻って帰るというよりは、気に行った場所にある程度長期間逗留するというある意味贅沢なバケーションを過ごしているわけですが、それと同じようなバケーションを過ごしている中国人富裕層の観光客の存在が今注目されているのです。実際に和歌山県白浜や四国など、これまであまりインバウンドでは脚光を浴びてこなかった地域の人気が高まっています。実際に愛媛県のあるみかん農家の方は、「なぜこんな何もないところに外国人観光客が来るのだろう?」と不思議がっていましたが、そんな「何もなさ」が逆にインバウンド客が求める日本のニーズとして定着しつつあるのだと思います。
一見何もないような場所を訪れ、そこの人々と触れ合い、その地方のグルメに舌鼓を打つ。意外とそれが「特別感」を醸し出しているんですね。